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医師のセカンドキャリアガイド|転科・開業・非臨床の選び方
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医師のセカンドキャリアガイド|転科・開業・非臨床の選び方

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医師のセカンドキャリアは、定年後だけの話ではありません。30代後半以降は、専門医取得後のキャリアを踏まえ、診療科の変更や開業、非臨床への転身など、今後の働き方を具体的に考え始める医師もいます。そうした意味でも、セカンドキャリアについては30代から意識しておきたいところです。

しかし「今の働き方を変えたいが、何を選べばいいかわからない」という先生は少なくないでしょう。

この記事では、医師のセカンドキャリアの選択肢を臨床を続ける道・離れる道に整理し、年代別の考え方と、体力・年収・やりがい・時間の優先順位から自分に合う道を選ぶ方法を、実際の転職事例とともに解説します。

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医師のセカンドキャリアとは|定義と、いま注目される背景

医師のセカンドキャリアとは、これまで積み重ねた臨床経験や専門性を土台に、新たな働き方へと踏み出すことを指します。かつては定年後の再出発を指す言葉でしたが、今は30代後半から意識される、より広い概念へと変わってきました。

まずは、その選択肢の全体像と、注目される背景を整理します。

セカンドキャリアに含まれる選択肢の全体像

医師のセカンドキャリアは、定年後の再出発だけではありません。関連する診療科への異動、退局、開業、そして臨床を離れる転身まで、キャリアの大きな転換はすべてセカンドキャリアに含まれます。
具体的には、次のように幅広い選択肢があります。

  • 関連する診療科へ移る(消化器外科から消化器内科など)
  • 医局を出て、市中病院やクリニックへ移る
  • 非常勤・嘱託へ働き方を変える
  • 開業する
  • 産業医・製薬企業・行政など、臨床以外の道へ進む

こうした転換点が訪れる時期は、30代後半から50代までと幅広く、一律ではありません。一般的にセカンドキャリアはシニア層の話と思われがちですが、医師の場合は中堅の時期から始まるのが特徴です。

なぜいま注目されるのか|「キャリアプラン」との違い

医師のセカンドキャリアが注目される背景には、働き方の変化があります。2024年から始まった医師の働き方改革により長時間労働に上限が設けられ、人生100年時代や医師の高齢化とも重なって、多様な働き方が現実的な選択肢になりました。

ここで、混同されやすい「キャリアプラン」との違いを整理しておきましょう。キャリアプランが全年代に向けた将来設計、いわば「まだ考える段階」を指すのに対し、セカンドキャリアは具体的な転身先を探す「もう動く段階」に近い言葉です。

働き方を変えられる環境が整ったいま、その一歩を具体的に検討する先生が増えています。

臨床を続けるセカンドキャリア

臨床を続ける道とは、診療に携わりながら働き方を変えることです。「臨床を続ける=今のまま」ではありません。診療科・勤務形態・場所のどれかを変えれば、働き方は大きく変わります。ここでは代表的な5つの選択肢を見ていきましょう。

関連する診療科に移る

これまでの経験や専門性を土台に、関連する診療科・領域へ移るケースです。体力的に現在の診療科を続けにくい医師が、同じ領域のなかで比較的負担の少ない診療科へ移るといったパターンがあります。

具体的には、以下のような例が挙げられます。

  • 外科系から関連する内科系へ(消化器外科から消化器内科など)
  • 脳神経外科・脳神経内科・整形外科からリハビリテーション科へ
  • 内科系から在宅診療(一部緩和ケアを含む)や人間ドックへ
  • 皮膚科・形成外科から美容皮膚科・美容外科へ

いずれも、これまで培った経験や専門性を土台にできる移り方です。

非常勤・嘱託に切り替える

常勤にこだわらず、時間の自由度を優先する働き方です。育児・介護と両立したい医師や、体力的に常勤フルタイムが難しい医師に向いています。

勤務日数や時間を選べたり、当直・オンコールから外れやすくなったりする一方で、収入が安定しにくい面は否めません。常勤か非常勤かの2択ではなく、週4日常勤+週1日非常勤といった選択肢もあります。

なお、嘱託は「嘱託常勤」と呼ばれる形が中心です。多くの場合、就業規則上の常勤の勤務時間には届かないものの、施設基準上は常勤として扱える勤務時間(週31時間以上)で契約するもので、社会保険加入の条件も満たします。単年契約の更新制となるのが一般的ですが、契約期間や更新条件は勤務先ごとに異なるため、事前に確認しておくと安心です。

在宅医療・慢性期に移る

在宅医療・慢性期に移るケースは、急性期の当直・オンコールから離れたい医師や、特定の患者と長く関わり続けたい医師に向いています。予定診療が中心で見通しが立てやすく、患者・家族と長期に関われるのが特徴です。

ただし、在宅医療は24時間対応の体制を持つ施設が多く、オンコールが完全になくなるとは限りません。形が変わるだけの場合もあります。

高齢化と在宅医療の推進により、需要は高まっている分野です。

開業する

診療の裁量を持ちたい医師や、勤務医の働き方に限界を感じている医師が選ぶ道です。実家のクリニックを継ぐケースも少なくありません。診療方針と働き方を自分で決められる一方で、経営の責任が伴います。

開業を検討する際は、最新の制度に注意が必要です。2026年4月に新たな規制が施行され、「外来医師過多区域」に指定された地域では、新規開業に一定のハードルが設けられています。規制の内容や対象地域は今後見直される可能性もあるため、必ず最新の情報を確認してください。

参考:厚生労働省|医師偏在対策について

地域医療で働く

地域に必要とされる医療をしたい医師や、裁量の大きい診療をしたい医師に向いている道です。幅広い診療に携われる一方で、専門性を維持しにくい場合もあります。

自治体の移住支援を利用する方法も選択肢の一つです。ただし、「需要が高い=好条件」とは限らず、その背景には代替となる医師がいない、オンコールが重いといった事情が隠れていることも少なくありません。

「地方=好条件」という印象だけで判断せず、勤務体制まで含めて条件を確認することが大切です。

専門医だからこそ、妥協のない好条件は選べる。

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臨床を離れるセカンドキャリア

臨床を離れる道とは、これまでとは違う形で医療に関わる働き方です。「臨床を離れる=医師免許を使わない」ではありません。

ただし、臨床に戻れるかどうかは、離れる領域と離れた期間によって変わるため、その点は意識しておく必要があります。

産業医になる

産業医は、当直・オンコールから完全に離れたい医師や、予防・健康管理に関心がある医師に向いています。

企業などで働く人の健康管理を担う役割で、勤務時間が読みやすく、夜間・休日対応は原則ありません。生活リズムを整えたい医師にとって、大きな魅力といえます。

一方で、治療に関わる機会がなくなるため、臨床のブランクが生じます。診療の現場に戻る可能性を残しておきたい場合は、非常勤で臨床を続けながら移行するなど、ブランクを抑える工夫も検討するとよいでしょう。

製薬企業・CROに移る

研究・開発に関わりたい医師や、組織で働くことに抵抗がない医師に向いている道です。

CROとは医薬品開発業務受託機関のことで、製薬企業から治験業務を受託する会社を指します。勤務時間が読みやすく、薬剤の開発という別の形で医療に関われるのが魅力です。臨床から離れることで戻りにくくなる可能性もありますが、これは領域と期間によります。

なお、製薬会社のなかには、臨床業務との兼業を認めている企業もあります。週に数日は診療を続けながら関わることもでき、臨床のブランクを抑えやすい道といえるでしょう。ただし、方針は企業によって大きく異なるため、事前の確認が欠かせません。

行政・研究の道に進む

行政・研究の道は、制度づくりに関わりたい医師や、研究・後進の育成を続けたい医師に向いています。

主な進路には、医系技官(厚生労働省)、自治体の保健所・衛生部門、大学・研究機関があり、いずれも臨床とは別の角度から医療に関わることになります。ただし、収入が下がる場合が多い点は理解しておきましょう。

また、公募・任期制が多く、応募のタイミングが限られます。関心があれば早めに情報を集め、募集の時期を逃さないよう準備しておくことが大切です。

自分に合うセカンドキャリアの見つけ方

選択肢の全体像がつかめたら、次は「自分にとってどれが合うか」を考える段階です。ここでは年代別の考え方と、優先順位から選ぶ判断軸、その2つを組み合わせた具体例を紹介します。

大切なのは、選択肢の多さに迷うのではなく、自分の基準で絞り込むことです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

年代別で選ぶ(30代後半〜40代/50代/60代以降)

医師のセカンドキャリアは、「まだ早い」「もう遅い」と思われがちですが、実際にはどの年代にも適した選択肢があります。年代ごとに現実的な選び方を整理しましょう。

  • 30代後半〜40代:診療科の変更・退局・開業に踏み出しやすい。体力・専門性ともに充実し、新しい環境にも順応しやすいため、選択肢がもっとも広い時期といえる。
  • 50代:体力の変化と役職定年を見据え、「最後の転職」を逆算して考える時期。定年後まで見通したうえで、長く続けられる働き方を選ぶことが軸になる。
  • 60代以降:多くの医療機関で定年が65歳前後に設定されているため、常勤で働けるのは65歳前後までが一つの目安となる。それ以降は非常勤・嘱託へと軟着陸していく形が現実的。

同じセカンドキャリアでも、動きやすい選択肢は年代によって変わります。年代ごとの転職事情をもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。

30代医師の転職方法は?キャリアアップを成功させるコツも解説
40代医師の転職事例まとめ|おすすめの選択肢や失敗しないコツも解説
50代医師は転職できる?体力・年収・専門性で選ぶ後悔しない転職先

体力・年収・やりがい・時間の優先順位で選ぶ

選択肢を並べて迷うのではなく、「今一番優先したいのは何か」から選ぶと、進むべき道が絞り込みやすくなります。判断の軸になるのは、体力の負担・年収・やりがい・時間の自由度の4つです。

どれを最優先するかによって、向いている道も変わってくるでしょう。

  • 体力の負担を抑えたい:在宅医療・慢性期、産業医
  • 年収を維持・アップしたい:需要の高い地域、条件交渉、管理職ポジション
  • やりがいを大切にしたい:地域医療、研究・教育
  • 時間の自由度がほしい:非常勤・嘱託

すべてを同時に満たすのは難しいからこそ、優先順位をはっきりさせることが後悔しない選択につながります。

年代と優先軸を組み合わせて選ぶ

年代と優先軸が定まると、具体的な働き方のイメージをつかみやすくなります。実際には、次のように複数の勤務を組み合わせる先生も少なくありません。

  • 週4日は介護老人保健施設で常勤、週1日はクリニックで外来(体力の負担を抑えつつ臨床を継続)
  • 週4日は産業医、月に数回のスポット勤務で外来(時間の自由度と収入のバランス)
  • 週4日は病院で常勤、週1日は関連クリニックで外勤(専門性と年収を両立)

どの組み合わせが最適かは、年代や優先したい軸によって変わります。自分に合った働き方を具体的に設計したい方は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。

医師のキャリアプランの立て方とは?キャリアパス一覧と年代別の考え方を解説

セカンドキャリアを実現した医師の転職事例

ここまで選び方を見てきましたが、実際に働き方を変えた医師は、どのように理想を実現したのでしょうか。

ここでは、専門性を活かした例と、体力の負担を抑えた例の2つを紹介します。いずれも、優先したい軸を明確にしたことが、納得のいく転職につながっています。

専門性を活かして関連領域へ移り年収を維持した例

【悩み・希望】
40代半ばを過ぎて体力の衰えを痛感。外科医の継続に限界を感じ内科への転身を目指すも、自力では外科経験を活かせる内科求人を見つけられず悩んでいた。

【転職前】
・診療科目:消化器外科
・年収:1,500万円
・働き方:常勤週5日+外勤週1日

【転職後】
・診療科目:消化器内科(一部外科も対応)
・年収:2,000万円
・働き方:常勤週4.5日+外勤週1日

40代の消化器外科医が、消化器内科という関連領域へ移った事例です。体力面の負担を見直しつつ、これまで培った専門性は手放したくない、という希望がありました。

そこで活かされたのが、内視鏡のスキルです。外勤の継続を条件に、その強みを活かせるオーダーメイドの求人を紹介してもらい、週4.5日の常勤に外勤を組み合わせる形で、年収は計2,000万円を実現しました。

専門性を捨てずに、負担のかかり方だけを再配分できた好例といえます。

▼詳細はこちら
40代消化器外科医が消化器内科へ転身。オーダーメイド求人が実現した年収2000万円の転職|メクキャリエージェント転職事例

体力を軽減しつつ年収を上げた例(Uターン・当直なし)

【悩み・希望】
当直や人事異動に追われる生活では将来の親の介護に対応できないと不安を抱き、年収ダウンを避けつつ地元で長く働ける職場への転職を希望。

【転職前】
・診療科目:神経内科
・年収:1,600万円
・働き方:常勤週4日+非常勤週1日/当直・オンコールあり

【転職後】
・診療科目:内科全般+もの忘れ外来
・年収:2,000万円
・働き方:常勤週5日/当直・オンコールなし

40代の神経内科専門医が、両親の介護を見据えて地元へUターンした事例です。転職前は医局に所属し、当直やオンコールを含めて年収は約1,600万円という働き方でした。

転職後は週5日の常勤ながら当直がなくなり、生活の負担は大きく軽減。それでいて年収は2,000万円へと上がりました。さらに、もの忘れ外来を担当することで神経内科医としての専門性も維持できています。

体力の軽減と年収アップは、必ずしも両立できないものではありません。条件を明確にして交渉すれば、両方を叶えられる余地があるのです。

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セカンドキャリアで医師の年収はどう変わるか

セカンドキャリアで年収がどう変わるかは、選ぶ道によって異なります。年収が下がりやすいケースもあれば、条件次第で維持・アップできるケースもあります。

一般的に、非常勤や産業医への転身では、勤務時間が減るぶん年収は下がりやすくなるでしょう。一方で、医師が不足している需要の高い地域や、管理職として迎えられるポジション、さらに条件交渉次第では、年収を維持したり、むしろ上げたりできる場合もあります。

先に紹介した事例のように、当直をなくしながら年収を上げた医師もいます。働き方の軽減と年収の維持は、必ずしも相反するものではありません。大切なのは、自分がどちらをどこまで優先するかを決めたうえで、条件をすり合わせていくことです。

なお、医師の年収水準を把握したい場合は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査が参考になります。

参考:厚生労働省|賃金構造基本統計調査

医師のセカンドキャリアに関するよくある質問

最後に、医師のセカンドキャリアについて、よく寄せられる質問にお答えします。

  • 臨床を離れたら戻れない?
  • セカンドキャリアは何歳から考えるべき?
  • 医局に所属したままセカンドキャリアを考えられる?

ぜひ参考にしてください。

臨床を離れたら戻れない?

戻れないとは限りません。臨床に復帰できるかどうかは、ブランクの長さや、離れていた期間に何をしていたかによって異なります。

産業医や研究職など臨床から距離のある道でも、非常勤で診療を続けるなどブランクを抑える工夫をすれば、復帰の可能性を残しやすくなります。また訪問診療は、訪問診療未経験でも受け入れ可としていることが少なくありません。

セカンドキャリアは何歳から考えるべき?

年齢で明確に決まるものではありません。セカンドキャリアに進む年齢には幅があり、体力の変化や役職の節目、家庭の事情など、きっかけは人によって異なります。

ただし、開業や転科など選択肢によっては、動きやすい時期が限られるものもあるため、早めに情報を集めておくと安心です。

医局に所属したままセカンドキャリアを考えられる?

可能です。非常勤先の整理や勤務日数の相談など、医局に在籍したまま働き方を見直す方法もあります。医局に籍を置いておけば、将来の選択肢を狭めずに済むかもしれません。

なお、退局を含めて検討したい方は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。

医局を辞めるタイミングは?専門医取得への影響や円満退局の手順も解説

医師のセカンドキャリアは自分の優先順位で選ぼう

医師のセカンドキャリアは、定年後だけの話ではなく、30代から始まるキャリアの転換点です。臨床を続ける道も、離れる道も選択肢は幅広く、年代によって動きやすい道は変わります。

体力・年収・やりがい・時間のうち、自分が今一番大切にしたいものを起点に選んでみましょう。優先順位がはっきりすれば、進むべき道は自然と絞り込まれます。そして、早めに準備を始め、具体的に相談していくことが、無理のない軟着陸につながります。

優先順位が定まったら、次は具体的な求人探しや条件交渉の段階です。先に紹介した事例のように、条件を整理して交渉すれば、希望に近い形を実現できるかもしれません。

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